法律についてのひとりごと 138

【ショーシャンク】

ひとつひとつ回答いたしますと

1、負けるとしたら、未成年者との契約ですから未成年者の取消権を
  使ってくる可能性があります。しかし、20歳になってから、
  借金を承認した書面がありますと、追認されたと見なされますから
  勝てるはずです。

2、相手が自己破産した場合は、なかなか異議申し立ては難しいですが
  詐欺による借金であるという申し立てをするか、彼女には
  十分すぎるほどの収入があり、返済不能でないことを証明するしか
  ないでしょう。

3、少額訴訟は60万円以下の事案です。また、年間10回までの
  回数制限があります。100万円くらいの借金を少額訴訟2回に分けて
  することはありますが、7回にも分けてすることは、少額訴訟
  趣旨に反しますから、裁判所もいい顔しないでしょう。

4、立証がとても難しいのが、結婚詐欺です。
  詐欺は騙す意思が証明されないといけないからです。
  『結婚はする気はあったけど、相手の性格についていけなくなった』
   と言われたら、覆すのは難しいのです。

5、借用書は大変有効です。もちろん、彼女が20歳になった後で
  書かれたことが必要条件になりますが。
  そして、すべてのメールの内容もとても有効なものです。

6、弁護士は、着手金だけで20万から30万円くらい要ると思いますが
  400万円の案件でもあり、弁護士に依頼した方がいいケースと
  思います。親身になってくれる弁護士が見つかればいいですね。
  
7、『やくざが出てくるよ』などという言葉を言うのであれば
  必ず、電話を録音すべきです。やくざなどの言葉を出してきたら
  交渉はこちらの有利になります。
  録音した後、『それは脅迫罪になるよ』と言って、押し捲ることも
  可能になります。

 

 

 

【質問者VV】

ショーシャンク様
大変数多い質問を1つ1つ丁寧に回答して頂きありがとうございます。

 昨日、2名の弁護士の先生に相談にのって頂き、
1人の先生から着手金30万円(分割払OK)・成功報酬10%で
「受けますよ」と返事をもらいました。

先生にお願いしたとして、どのように進めていくのかを尋ねると、
内容証明や支払督促ではなく、いきなり通常訴訟でやるのが1番良いのでは?と
言われました。

 確かに返済する意思の無い事を明確にしているので
支払督促は異議申し立てをしてくる可能性が高く2度手間になり非効率だとは思います。

ただ今現在、彼女は弁護士や専門家に相談している様子が無いので(連絡が取れず憶
測ですが)内容証明を送ってみるのもどうかと考えています。

 かなりキツメの内容証明
(例えば詐欺での刑事告訴やAVや違法薬物使用での慰謝料請求も考えている事)
送ってプレッシャーをかければ和解に応じてくるのではと考えたりもします。
彼女がその内容証明を持って弁護士に相談にいけば受任拒否をされたり
「負けるから和解した方がいいよ」などと言われるのではと・・・
(これはちょっと自分勝手な甘い考えですね)

 先程の様な内容の事を書くと脅迫になったり、
相手に手の内?を見せる事で不利になったりするのでしょうか?

もしショーシャンク様が彼女から相談を受けたとして、どのような対応をされまか?

弁護士に依頼する際、何か気をつける事などがありますでしょうか?

 毎回、毎回、不躾な質問ばかりで申し訳ありません。

私の性格上、他の人に相談するのが苦手で頭でっかちになり、
なかなか行動に移せなっかたのですが、ここに書き込み
ショーシャンク様に1つ1つ丁寧に回答を頂いて
少し自信が持てた事に感謝しております。

何かアドバイスがあれば宜しくお願い致します。

 

 

 

【ショーシャンク】

このケースの場合、裁判して勝訴するのは
比較的簡単だと思います。

しかし、強制執行するのが大変なケースです。

つまり、最悪の場合、400万円の貸金のみならず
弁護士料の30万円も無駄になることもあります。

また、弁護士へ依頼する時に大変重要なのは
弁護士への成功報酬が、
1、実際に返済された額なのか
2、勝訴した額なのか、
ということです。

400万円の勝訴しても、1円も取れないことはよくあります。
その場合、1のケースなら弁護士料は着手金の30万円だけですが
2のケースなら、70万円も払わないといけません。

平成16年から、弁護士の報酬は、弁護士会の規定ではなく
各弁護士の自由になりましたので、これだけは確認しておいてください。

 

 

【質問者VV】

ショーシャンク様
早速の回答ありがとうございます。

 ご指摘のあった成功報酬の件を確認して弁護士の先生に依頼してみようと
思います。

 強制執行の事でお聞きしたいのですが、
できる事とできない事があるとは思うのですが
今回の場合、預金?(現金)と給料の差押さえと、
賃貸マンションの保証金(これは何かで見た気がします)がメインになると思うのですが、
その他にも有効なものはあるのでしょうか?

 依頼する弁護士の先生に確認すれば良い事なのかもしれませんが少し頼りない感じが・・・
(小額訴訟についてかなり曖昧な知識でした)
ので、ショーシャンク様にご指導頂ければと思います。

 

 

 

【ショーシャンク】

強制執行は、不動産があれば一番いいのですが
次は、預金口座や給与の差し押さえでしょう。

賃貸マンションの敷金・保証金も資産の一つですから
差し押さえることは可能でしょう。
ただ、敷金・保証金は家賃の1か月分から3か月分が多いでしょうし
賃貸している間は返還されないものですから、すぐ回収できません。
また、家賃の滞納があった場合や原状回復義務があった場合は
それらを差し引かれますから、思うほど取れないことも多いでしょう。

ただ、弁護士に依頼するのであれば、その弁護士を信じて
良好な信頼関係を築かなくてはなりません。
ですから、依頼する弁護士にわからないことはよく相談してください。
そうでないと、良好な関係にはなりません。

私は、弁護士の邪魔をするつもりはなく
弁護士が引き受けてくれない案件・匙を投げた案件などを
根気強く、皆さんといっしょに苦しみながら
考えていきたいと思うのです。

 

 

 

【質問者VV】

ショーシャンク様
鋭いご指摘ありがとうございます。

 言われるように依頼する弁護士の先生と良好な信頼関係を築く事を考えて
色々と相談してみたいと思います。

 今後、弁護士の先生が匙を投げたり自分自身が行き詰った時には、
またご指導頂ければと思います。